突然ですが、皆さんの勤めている会社の社歴は何年くらいですか。


長くても50〜60年以内という会社がほとんどではないでしょうか。
会社の平均寿命は27〜28年だそうです。
では、世界最古の会社とは創業何年くらいだと思いますか。
200年? 300年? 500年?
いえいえそんなものではありません。
なんと1400年!

では、そんな会社が存在するのは世界の中でどの国だと思いますか?
ヨーロッパの国?中国?意外なところでアメリカ?
ヨーロッパ最古は、イタリアの金細工の会社で社歴640年
中国は、歴史の長い国という認識があり、社歴の長い会社がありそうですが
意外に短く、古い会社で300年そこそこ。
お隣、韓国にいたっては古くても80年という結果になっています。
アメリカは、戦争による被害が本土に無く、100年以上の社歴を持つ会社は多いのですが、
極端に古い会社は無いようです。
その他に考えられる歴史の長い国は・・・・・?
そうです、日本です!

先日、読売新聞の中に『千年働いてきました』という本の紹介記事を見つけました。
そのタイトルに「千年働く?」「どういう意味?」などと考えながらも記事を読み、おもしろそうなので購入することに。この本は、その後テレビでも取り上げられていたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ここに紹介をさせていただきます。

1400年前の日本は飛鳥時代
歴史上の人物では聖徳太子(実在しないという説も)が活躍していた時代です。社歴ということで考えると気の遠くなるような時間を経て今尚存在する会社があるということです。
それは、大阪にある『金剛組』という会社です。神社、仏閣の建築会社で、現存する世界最古の会社だそうです。ちなみに現社長は40代目に当たります。
大阪の四天王寺を建てたのが初仕事ということですから、当時の技術力の高さがうかがえます。

その他にも日本には1000年を超える社歴をもつ会社がいくつも存在します。
先述したヨーロッパ最古の640年の社歴を誇る金細工メーカーより古い会社は、
日本には何と100社近くあるそうです。

そこまで古くなくても数百年の社歴の会社はたくさんあり、身近なところでいうと
デパートの多くは、その前身が呉服商であり、やはり数百年の社歴を有しています。

もう少し短い?社歴100年越えの会社は、15000社以上という調査が東京商工リサーチでされています。このように社歴の長い会社が多い国は世界的に見ても日本がずば抜けており、特別な状況であるとのことです。

もうひとつの大きな特徴が、アジアの中で社歴の長い会社は、商業を生業としている会社が多いのに対して、日本の場合は工業(もの造り)を生業としている会社が多いという点です。日本人には昔から職人を尊ぶ気質があり、古くからその時代の権力者も職人(技術者)を庇護してきた歴史があります。

国によっては物造りに関わる職業を蔑む歴史があったということを考えると、職人(技術者)を尊ぶ日本は、技術が発展しやすい土壌であったといえるのではないでしょうか。



この本のプロローグは、携帯電話の部品に日本の老舗企業の技術が使われていることから始まります。後半はいろいろな老舗企業の技術の応用例があり、「あの商品もそんな老舗企業の技術だったのか!」などと感心させられます。

従来の“老舗もの”のように何百年続いている和菓子屋とか、15代続いている老舗旅館といった内容の本とは一線を画しています。老舗製企業の技術、もの造りに対する考え方がどのように活かされ現代に対応しているのか、そして継続していく会社の条件は何かを探ることを主題としています。会社は、設立10年で半分以下になるという統計があり、大企業倒産のニュースも珍しくはありません。創業数十年の若い?会社でさえ、その時々のニーズの変化に対応できなければ倒産していきます。
老舗企業のいろいろな創意工夫は、生き残ることができる会社のノンフィクションの歴史そのものであるだけに興味深く読むことができます。

また著者は、「老舗企業が日本に集中していることは、日本文化という大きなテーマへのひとつの答えをも示唆してくれるはずだ」と主張しています。

MADE IN JAPANが高性能で信頼性が高いと世界から評価されるのも、職人(技術者)を尊敬し、職人は丹精込めて物を造るという文化が永年続いた結果ではないでしょうか。そういう意味では、単に“会社もの”の本というだけでなく、日本文化という切り口で読んでも面白い本だと思われます。

是非ご一読を



タイトル  『千年働いてきました』
著  者  野村 進
出 版 社  角川書店
価  格  705円(税別)


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